院長コラム⑪最近走っていますか?
地球上の生き物で「生きるために全力を出さなくてもよい生き物」は唯一人間だけです。
他の生き物は 餌をとるために、捕食されないために、巣を作るために、なわばりを獲得・保持するために、移動するために、短時間・瞬間的にでも全力を出します。
ナマケモノですら、生きるためには木につかまっていなければいけないので、木に登ったり木に掴まっているだけの筋力は常に持ち続けています。
つまり、生きるためには体力の維持は必要不可欠なのです。
しかしながら、人間だけは自分の体を使わなくてもお金があれば衣食住は事足ります。
つまり動くことを最小限にしても生き残ることができるのです。
文化の発達・進化に伴い、人間は退化する道を進んでいるのです。
スマホの普及により電話番号を記憶することも減って丸暗記している電話番号は激減していませんか?
PCやスマホで文字の変換をしてしまうことで、漢字も読めても書けなくなってきていませんか?
文字を書く機会が減り、字が下手になっていませんか?
昔はできたことが、だんだんできなくなってきていませんか?
特に近年は移動手段が自動車となることで、歩く機会、しいては走ること自体が減っているはずです。
子供のころは通学や休み時間、体育の授業、部活などでたくさん走っていたはずです。
「じっとしていなさい!」と親に叱られてもその辺を走り回っていたはずです。
しかし大人になるにしたがって走ることが激減し、たまーに小走りや早歩きをするくらいしかしていないのが現状ではないでしょうか?
大人よりも子供の方が行動力や体力があるのも人間ぐらいなものです。
小魚よりも成魚の方が行動範囲も体力もあります。
小鳥よりも親鳥の方が行動範囲も体力もあります。
昆虫ですら同様です。
人間も本来、身体を使って生活していた頃は大人の方が行動範囲も体力もあったのです。
現代は筋力は子供よりもあったとしても、行動範囲(一日の歩数)や体力(持久力)、は敵わない人が多いのではないでしょうか?
ここでやっと本題に入りますが、
【歩いたり、走る際に指先で地面を蹴る】という事が巻き爪の予防には大切なのです。
足の爪の役割とは指の先端に力を入れることなのです。
なので、すり足で歩いていたり、浮き指で歩いていたり、そもそも走ることをしなくなれば、つま先の役割が果たされなくなり、爪は自然と巻いていってしまいます。
靴を履かなくても、寝たきりや車いす生活をしている方は足の指が巻いていきやすくなります。
親指だけに限らず、親指から小指まで全ての指が巻いてしまう傾向が強くなります。
坂道を上る動作や、走る際に地面をつま先で蹴る動作が足の爪の形状維持にはとても大切なのです。